イップス外来


「イップス」という言葉はゴルフ界で使われ始めた用語です。精神的な緊張やプレッシャーによって、思うようにクラブを振れなくなる現象として知られていました。イップスの有病率について正確なデータはありませんが、海外の報告ではゴルフ競技者のうち25~50%の人にイップスの症状が見られるという報告があります。また、大阪大学が行ったアンケート調査によると、36%のゴルフ競技者がイップスを経験していることが報告されています。さらに、他のスポーツにもイップスは見られるため、イップスに悩んでいる方は非常に多いと推測されます。学術的には局所性ジストニア(職業性ジストニア)と同義で考えられ、神経疾患に分類されています。脳の構造変化が原因といわれ、同じ動作を過剰に繰り返すことによって発症し得ることが明らかになっています。実際、次のようなスポーツや演奏など一定の動作を繰り返す場面で、突然身体が動かなくなる、震える、力が入らないといった現象が報告されています。

・野球・ソフトボールでの打撃時や投球時などに、腕が途中で止まる
・陸上競技におけるランナーのイップス(ぬけぬけ病)
・テニス・バドミントンでサーブが怖くて振り出せない
・ゴルフでパターを打とうとすると手が硬直したり手が震える
・書道・囲碁・将棋・ダーツなど精密な作業時に手が震える

多くの場合、過去の失敗体験や極度の緊張状態を契機に症状が現れ、反復することで慢性化します。近年では、スポーツだけでなく、演奏家や音楽家、専門職である塗装工、 自動車整備士、作家、タイピスト、パソコンのプログラマー、理容師、教師、会社員など、日常生活や職業の中でも発症することが分かっています。多く発症する症状として、原因が不明の首や手の不調が長年にわたり続く、急に身体が思い通りに動けなくなる、筋肉や骨自体には異常がないのに、体が捻じれたり固まったりして、自分の思い通りに動けなくなる等が症例として多く報告されています。「完璧にしなければ」「プロとして失格だ」という無意識の自己プレッシャーに対し、脳が誤作動指令を体に送ってしまっている状態であると推測されます。

脳の中では、体を動かすために神経細胞が複雑に連携しています。特に「視床」や「大脳基底核」と呼ばれる部位は、筋肉の動きを細かく制御する中枢です。しかし、同じ動作を長期間繰り返すと、その回路が“誤学習”を起こし、筋肉に間違った信号を送り続けることがあります。この状態が局所性ジストニアと呼ばれ医学的にはイップスの一種と考えられています。脳の誤作動によって筋肉がこわばる『局所性ジストニア』は誰にでも起こり得る症状であるといえます。

当院では関西医療大学よりご指導を頂き、神経内科領域に対する「イップス」鍼治療を取り入れております。スポーツ選手 (陸上競技、サッカー、野球、ゴルフ、テニス、バドミントン、水泳、ダーツ、eスポーツ、チアリーディング、楽器など) に多く発症する症状として、原因が不明の首や手の不調が練習中や試合中に長年にわたり続く、競技中に急に身体が思い通りに動けなくなる『 イップス 』、筋肉や骨自体には異常がないのに、体が捻じれたり固まったりして、自分の思い通りに動けなくなる等が症例として多く報告されています。鍼治療は痙性斜頸および書痙に関してはボツリヌス治療に次ぐ治療として推奨されており、罹患部位と判断される部位に対し特殊な鍼を用いて施術するとともに、脳と神経の誤作動にアプローチする特別な施術を行っています。

現在、注目されているのがジストニア (dystonia) に対する鍼治療です。ジストニアは脳や神経系統の何らかの機能異常により、筋肉が異常に緊張してしまった結果、無意識に異常な姿勢や動きをしてしまう症状のことをいいます。ジストニアは体の様々な部位にみられ、頻度の高いものとして斜頸、顔面痙攣、書痙などがあります。たとえば、顔・頭・首などの体の一部がさまざまな方向にねじれる・口が開閉できない・体全体が歪んでしまう・手足が震えるなどの症状が持続して現れます。症状は人によって発症年齢や症状が出現する部位が異なりますが、午後から夜にかけて症状が悪くなる傾向があり、身体の特定部位を触ると症状が軽くなるなどがあげられ、緊張する筋肉の場所によってさまざまな症状を引き起こします。

目があけづらい(眼瞼痙攣)
首が曲がってしまう(痙性斜頚)
字が書きづらい(書痙)
声が出しづらい(痙攣性発声障害)
話すときに舌が出てしまう(口舌ジストニア)
食いしばってしまって口が開かない(口顎部ジストニア)
階段を降りるときに足が内側に曲がってしまう(下肢ジストニア)
歩くときに身体が後ろに曲がってしまう(軸性ジストニア)

ジストニアの特徴としては異常運動・異常姿勢は一定の同じものであること(常同性)、一定の動作において強く見られること(動作特異性)、症状を改善させる決まった動作がある(感覚トリック)などの特殊な特徴がみられます。特に動作特異性に関しては実際の職業での体の動きと強く関係している場合も多くあるため、お悩みの方も少なくありません(音楽家のジストニア、イップスなど)。職業性ジストニアが生じると言われる職業では演奏家や音楽家、専門職である塗装工、 自動車整備士、作家、タイピスト、パソコンのプログラマー、理容師、教師、会社員などが多く報告されています。鑑別が難しいため発見が遅れ症状が進行している場合もあります。必要に応じて大学への紹介も行っておりますのでお気軽にご相談ください。

※ 米国疾病予防センター(CDC)公表の「スタンダードプリコーション(標準予防策)」と呼ばれる世界基準の感染予防対策に取り組んでおります。感染症予防のため、鍼は使い捨て(ディスポーサブル鍼)を使用し、衛生法規に準じて徹底した安全・衛生管理を行っております。施術の際に使用する鍼皿も使い捨てを使用していますのでご安心ください。

【 予約時間 】
月曜日~金曜日 午前9時~12時 ・ 午後3時~7時
土曜日・日曜日 午前9時~12時
【 電話予約 】
TEL 0736-62-2826 (代表)
■参考
https://univ-journal.jp/222049/
関西医療大学 保健医療学部 教授 鈴木俊明 先生
https://www.kansai.ac.jp/course/teacher/35
ジストニアの病態と治療
榊原白鳳病院 神経内科 目崎高広 先生
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051070465.pdf

▲ページトップへ戻る
LINEで送る
下記クリックで電話がかかります
0736-62-2826