マイクロカレント

微弱電流療法 (MCR・マイクロカレント療法)は筋肉や神経に生体電流と同程度の微弱な電流を流すことで、体本来の回復力を引き出す治療法です。人間の身体には、生体電流と呼ばれる、微弱な電流が流れています。急性・慢性を問わず、細胞や組織に傷がついた箇所は、生体電流が部分的に乱れてしまっている状態になります。この乱れている生体電流を修正するため、細胞が自ら生み出すエネルギーとほぼ同じ強さであるマイクロカレント(微弱電流)を患部へと流すことにより、疼痛を緩和し、組織の治癒力を高めていきます。人工的に微弱電流を外部から加えることで、エネルギー不足の細胞を活性化させ、細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)の増加による修復増強作用によって、細胞を正常な状態に戻すことが可能であると学会等で報告されています。
微弱電流療法(MCR・マイクロカレント療法)は、ミトコンドリアの機能に影響を与えるとされています。ミトコンドリアは「細胞のエネルギー発電所」とも呼ばれるように、真核細胞にとって必要なエネルギーを供給する最も重要な細胞小器官です。内膜に存在する呼吸鎖複合体がエネルギー(以降ATP、アデノシン三リン酸)を産生するメカニズムは、1900年代後半に大方解き明かされました。ヒトの体内で作られるATPが1日に50~100㎏と言われる中で、その9割以上がミトコンドリアによる合成となります。具体的には、ミトコンドリアがより多くの酸素を取り込むことができるようになり、エネルギー産生に重要な役割を果たすことが示唆されています。
研究によると、微弱電流(マイクロカレント・MCR)がミトコンドリアの機能を改善し、ATPの合成に必要なプロトン濃度勾配を増加させ、低周波電界の正弦波がミトコンドリア膜の電位差を最大化し、効率的なATP産生を促進することが示されています。これにより、微弱電流(マイクロカレント・MCR)が細胞の再生や修復、炎症の軽減などに役立つ可能性があるとされています。細胞レベルでミトコンドリアの増加・活性化をすることで、疲労回復・痛みの軽減や炎症の緩和・自然治癒力の向上などの効果が期待されています。
■参考 (2017年Scientific Reports掲載)
"Mitochondrial function is regulated by the waveform of low frequency electric fields"
(電気波形によってミトコンドリア機能が調節される)
著者 David J. Llewellyn-Jones、Richard A. L. Jones、Mathew A. Plant、Joanne L. Williams、Sarah J. Weightman、John J. L. Morton
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